活動報告

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宗家研修 感想

 冒頭に、鵬雲斎汎叟玄室様、坐忘斎お家元をはじめ、裏千家宗家の皆様には、大変貴重な機会を与えて下さった事に対し、深く感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。稽古を始めてわずか半年という素人集団が、お家元においてお稽古を頂けるなど、通常ではありえない、大変貴重な経験を得る事ができました。心より御礼を申し上げます。

 そんな素人でありますから、初日は大変に緊張しておりました。しかしながら町田業躰先生の「作法も大事だけど、お客様をもてなすその心こそが大事なのです。」というお言葉を頂けた事で、とても気が楽になり3日間のお稽古をリラックスしてより深く楽しむことができたと思います。そんなお心使いも頂きました。また中西業躰先生は、私たちのお稽古の間中、茶道や日本文化にまつわる様々なお話をずっとし続けて下さいました。通常ではお稽古中は先生の鋭い視線が気になり、ややもすると息が詰まりそうになるものでしょう。しかしながらそんなお気遣いのお陰で、緊張もほぐれ自分のペースで進めることができ、一つ一つ考え確認をしながら行う事ができました。しかも、間違えた場合には、きっちりと見て下さっていて、さりげないご指摘をして下さいました。こんなところも思いやりの精神なのかな、と感じさせて頂きました。

 そんな中で、掛け軸の説明を頂いた際に「無事」とは「何事も無かった」という事ではなくて、「色々なことがあった」と解釈できる、と伺いました。「今日一日色々なことがあった。良いこともあったし良くないこともあった。しかしそういった一切の現実を受け入れて、結果的に全体としてよかった、また健康でいられる事に感謝をしましょう。」というお話しだった。禅による考え方だという事でしたが、全てを認識して、且つそれを超越した観点で対象を捉える。とても見識の深さを感じさせて頂きました。

 そして宗家住宅である今日庵、こちらも入室を認めて頂き、代々伝わる歴史的な茶室を、実際に中に入り、拝見させてもらいました。こちらも通常ではありえない幸福なのでしょう。十くらい拝見させて頂いた中でも特に印象に強く残っているのは、やはり中心的存在である今日庵、二畳の間でした。日本文化は引き算の文化だと言われます。余分なものを省いていって残ったそのものに美意識を感じるのが伝統的な日本文化の心であると言います。今日庵はまさにそんな日本伝統文化の象徴的存在であると感じました。二畳の間には、飾りも極力廃し、お手前が極力簡素にできる様部屋の配置にも工夫がされている。主人と客の二人、自然の粋を純粋に感じる事ができたのではないでしょうか。あるいは主客二人、膝を詰めあって将来の日本を論じ合ったのかも知れません。いずれにしても招待する人と招待される人、この二人に焦点を置かれたつくりになっていると部屋でした。

 私の今回の関西研修のテーマは二つ。一つに幸之助塾主を理解する。そしてもう一つに日本文化を理解する、という二点でした。今回このテーマは、両者ともにかなり満足されたと考えています。様々な貴重な体験を得ることができ、それらを通じて、幸之助を感じ、日本文化を感じる事ができました。

 今後さらなる精進を続け、上記二つのテーマをより深く探求する事で、自らの人間性を高めて行きたいと、心を新たにしました。

 先生方には、本当に心温まるご指導を頂きました。また先代、お家元には、大変お忙しい中を、わざわざお時間を作って下さりお話しを頂戴しました。力強い握手がとても印象に残っています。また二日目の夜には懇親の宴も設けて頂きました。全てが特別な体験でありました。この貴重な経験を通じて茶道の本流に触れ、日本文化の源流に触れる事ができた幸運に感謝をし、今回携わって下さった全ての方に御礼を申し上げます。ありがとうございました。

以上

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高橋清貴の活動報告

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Kiyotaka Takahashi

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第24期

高橋 清貴

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