論考

Thesis

月例報告

7/19~8/8まで、6度目のカンボジア訪問をして参りました。今回の主目的は、七五三基金で推進してきました3校の小学校建設終了に伴う開校式に出席するためでした。詳細は来月の月例報告に譲ります。

 今回、七五三基金に関する活動以外、1992年に祖国に戻った36万5,000人の帰還難民問題に関し、(1)ソン・スーベール氏(カンボジア王国国会副議長)へのインタビュー、(2) 帰還難民定住地スレ・アンピル村(170家族、905人)の視察、(3)帰還難民(retueners)18人との対談(Chbar Ampuv Commune)をする事ができました。今月は(3)に関し報告いたします。

 この対談(1時間30分)は7月31日に、塾報7月号でも報告したレニー・パン女史の手配により実現した。当初、口を開くことを恐れていた人々も、徐々にそれぞれの生活の実態を語ってくれた。残念ながら時間がなく、所々必要なデータが欠けてはいたものの、帰還難民の実態に触れることができた。

 ある夫婦は7人の子供(15・13・12・10・9・3・2才)を抱えている。ご主人は全盲。家族9人を一手に担う奥さんの仕事はニンニクの皮むきである。1キログラムあたりの収入は70リエル(US$1=2,400~2,500リエル)。1日にいくら頑張っても、30キログラム剥くのがせいぜい。最高の収入が2,100リエルである。1ドルに満たない。彼らが買っているお米は1キログラムが800リエル。一体どうやって生活しているのか、私には想像もつかない。

 『しかし、カンボジアの将来にいぜんとして疑問が残るとしても、多くの人々がこの帰還事業を成功とみなしている。(世界難民白書、国連高等難民弁務官事務所編105P)』UNHCRはその記述を、移送事業と変えるべきであろう。

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堀本崇の論考

Thesis

Takashi Horimoto

松下政経塾 本館

第13期

堀本 崇

ほりもと・たかし

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