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1995年度 松下政経塾報1995年度 松下政経塾報

コラムの森
1996年3月

パレスチナ選挙監視で和平に貢献

前原誠司/松下政経塾第8期生
 中東和平に弾みをつける重要な意味を持つパレスチナ自治政府議長と評議会議員選挙(1月20日投票)に政府監視団の一員として参加した。日本政府は国別としては最大の59人の監視団を派遣した(他に13人の国会議員からなる議員監視団も派遣)。監視団の構成は、約4分の1が外務省職員。他が民間からで、中東地域・アラビア語の研究者と過去の国際選挙監視経験者だ。

 私は、大学教授と大学院生と3人でチ−ムを組み北ガザ選挙区を担当した。この選挙区は、インティファ−ダの発祥地でありイスラエルと接する地区である。また、選挙直前にはイスラム原理主義過激派「ハマス」による暗殺事件が発生したのでテロに対する緊張感が広がっていた。

 ガザ地区での宿舎は真冬にもかかわらず、お湯が出なかったりで、環境に耐えるのも今回の仕事の一要素だった。

 選挙監視団の仕事は「自由で公正な選挙の実現」を確保するために選挙法に基づいた次の3つだ。(1)選挙運動中、自由な選挙運動が確保されているか候補者等に確かめる。(2)投票中に、不正や投票妨害はないか。(3)開票に不正はないかを確かめる。

 いずれの段階でも、事務作業の非効率性から発生する混乱はあったが、不正は認められず自由で公正な選挙だった。

 今回の選挙は、パレスチナ人にとっては初めての選挙であり、彼らの熱狂を強く感じた。われわれ選挙監視団員も興奮し満足した。同時に、日本の人的国際貢献としても満足のいくものだったと確信した。

 私自身も、世界の発展にとって価値ある歴史的出来事に直接かかわることができた感動でいっぱいになり「自分に与えられた時代に対する責任」を、前向きに「喜び」と、これまで以上に強く感じた瞬間だった。     

   

1996年3月執筆
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