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1993年度 松下政経塾報1993年度 松下政経塾報

1993年11月

多選禁止

松沢成文/松下政経塾第3期生
 相次ぐゼネコン汚職事件にからんで、知事はじめ首長の多選禁止を求める声が上がっている。また、自民党では党改革の一方策として、議員の定年制が議論されている。どういう契機であれ、私は「政治家の任期」や「多選の弊害」についての議論が盛んになってきたことは大歓迎である。

 政治家が長期間その職にあることによって、さまざまな権力を握り、利益と結びつく。そこに汚職が生まれ、私たち有権者は事実が明るみに出ることによって政治不信を増幅させる。政治家の多選は、政治の独善化、行政や業界との癒着、政治の新陳代謝の阻害等さまざまな弊害を生み、いくら選挙を経ているからとはいえ、民主政治の本旨にそぐわない状況をつくり出してしまう。

私はこうした実態を見ると、政治家の多選に対する何らかの制限が必要であると常々考えてきた。そこで昨年来、東京政経塾の仲間とともに「政治家の任期制限導入」を検討するためにプロジェクトチームをつくり、今春その成果を発表したところだ。

結論は、「首長12年、議員24年の任期制限を法制化すべき」というものである。(『松下政経塾報』93年5月1日号『地域から日本を変える』93年6・7月号掲載。

 「長期権力は絶対に腐敗する」という政治思想のもとに、政治権力の時間的分権を図ることが今こそ求められているのではないだろうか。アメリカをはじめ、民主憲法をもった諸外国でも、政治家の任期制限を制度化している例はいくつもある。最近の首長多選禁止論も議員定年制も、政治家全体の任期制限導入につながっていけばと願っている。

 政治家のポストは政治家のものではない。政治家のポストはあくまでも有権者のものである。有権者にとって民主政治が有効に機能するように、政治家のポストに制約を加えることは極めて当然の権利ではないだろうか。

1993年11月執筆
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