松下政経塾 The Matsushita Institute of
Goverment and Management

イベント

開催レポート

イベントレポート情報

一覧へ戻る

平成29年度入塾式 理事長祝辞

平成29年度入塾式にあたり、本日は多くの皆様にご出席を賜り、心よりお礼申し上げます。
また日頃は当塾の運営にあたり、格別のご支援を頂き重ねてお礼申し上げます。
 
松下政経塾は昭和54年(1979年)塾主松下幸之助により創設され、本年で38年目を迎えることが出来ました。
その間268名の若者が巣立ち、現在、政治分野だけでなく社会の様々な分野で活動を続けております。
 
本年は第38期生として7名の新入塾生を迎えることとなりました。
改めて新入塾生諸君入塾おめでとうございます。
約7か月間という長い入塾審査を経ての入塾であり、本日はまた違った思いと爽やかな緊張感を持って入塾式を迎えられたのではないでしょうか。
 
会場の皆様には後程この7名より決意表明をさせて頂きます。いずれも高い可能性を秘めた個性豊かな若者達でございます。
ご支援の程よろしくお願い申し上げます。

さて、本日は三点ほどおはなしをさせて頂きたく存じます。
一点目は塾主松下幸之助について。
二点目は最近の松下政経塾の動向について。
そして三点目は松下政経塾が持っている三つの資産・宝物についてであります。
 
塾主は明治27年(1894年)和歌山県でお生まれになり平成元年94歳で天寿を全うされました。
只今の映像の5年後に逝去されました。
明治・大正・昭和・平成と文字通り日本の激動の時代を生き抜き、多くの足跡を残された私達日本人の先哲であります。
逝去されて28年。今日でも塾主の「ものの見方・考え方」は、ある時は人間としての生き方として、ある時は事業経営の指南書として、ある時は国家や社会に対する提言として、多くの皆様に感銘を与え続けています。
その理由は、先程の映像で皆様もお感じになられた事と存じますが、ご本人が生来お持ちになられている人間としての魅力とともに、考え方や行動の原点に実業の世界、血の滲むような現場・現実の世界があったからであります。
語りかけるひとことひとことが深い意味を持ちつつも極めてわかり易いということもその理由のひとつであります。
 
塾主が想い画き、若者達にその夢を託された21世紀の〝国のかたち〟は、〝国徳国家〟を創り上げることでありました。
その強い願いを、無税国家論や観光立国論、道州制などとして、国家や社会に対し多くの提言を残されています。
塾生諸君が(1年生も4年生も)今やらんとしているテーマは全て、この〝国徳国家〟を創り上げる道につながっています。
 
富士山には四つの登山口があります。
塾生諸君が頂上を目指す道は、その整備された道ではありません。
自ら切り拓いてゆく道であります。
塾主が述べておられた〝自修自得〟の道であります。
敢えて遠回りをする事もありますし、時には道に迷うこともあるでしょう。
 
世界の情勢は全く予測の出来ない形になりつつあります。
一言では言い表せませんが〝格差と分断の世界〟といってもいいかもしれません。
塾主は〝国徳国家〟という理想の国家像を提言しつつも、当時日本が抱えていた国家的課題、例えば安全保障や憲法問題等々に関しては、極めて現実的な考えを持っておられました。
 
新入塾生諸君においては、まずは塾主の人生の軌跡、人生観、社会観、仕事観、経営観等を素直にしっかりと学んで頂きたい。
これからの4年間(1460日)をかけて、自らの〝志〟に磨きをかけて頂きたいと願っております。

次に、松下政経塾に入塾を希望される若者達の最近の動向についておはなしをさせて頂きます。
 
塾設立当時は〝将来は内閣総理大臣になって俺の力で日本を変えたい〟といった若者が多かったと聞いております。
事実卒塾生の中には内閣総理大臣も生まれましたし、国会議員の閣僚経験も延べ15を数えています。
 
最近は地方に視点をあて、自らの力で地方を元気にしたい!という若者が増えてきています。
あまりに地方が疲弊している。
地方の経済発展を促す様々な施策、制度設計も十分な効果が見られない。地方の疲弊のスピードが早すぎて、様々な施策が追いついていかないのが現実の姿であります。
 
地方には、日本の長い歴史の中で培ってきた素晴らしい精神文化・風土・良き伝統が残されており、これが失われることは即ち日本人のアイデンティティが失われることであると・・・等々・・・若者達は感じているようであります。
自分の生まれ育った市や町で、政治家としてあるいは政治の手の届かないところで苦しんでいる人達の一助になるべくNPO等を立ち上げることにより、自らの果たすべき役割を見つけ出し果たしてゆきたい、その為の人間力や見識・覚悟を政経塾で身につけたいというものであります。
 
志は高く大きい方が良いと思いますが、まずは自らの足元をしっかりと照らし、歩みを進めたいという考え方もまた、素晴らしいと私は思っています。
 
もうひとつの特長は女性の進出であります。
建塾以来女性の割合は10%以内で推移してきましたが、ここ10期間では、その割合が20%となり、直近の37期、38期では46%であります。
この様な女性の進出に対し、特異点だといわれる方もいらっしゃいますが、私はそうではなく、この様な時代になってきており、時代の要請であると思っています。
 
政経塾のあり方も、基本理念は揺らぐことなく、これら若者達の要望に応えられる様変えていかねばならないと考えています。

さて最後になりますが、松下政経塾には三つの素晴らしい資産、宝物がございます。
 
一つは松下幸之助が私達に残された基本理念であります。
 
二つ目は、この38年間に卒塾していった268名のOB諸君であります。
塾生諸君が迷った時や困ったときは、このOB諸君に胸を借り相談したらよいと思います。
彼らは必ず相談に乗ってくれるはずです。
 
三つ目は、本日ご出席賜っている皆様はじめ日頃から塾生達にご指導頂いている先生方であります。
また理事や評議員としてアドバイスを頂いている皆様方であります。
 
私達はこの変化の激しい時代にあって、松下政経塾の役割を果たしていく為に、ぜひともこれら三つの資産を更に積極的に活用させて頂きたく存じます。
どうかこれからも塾生また塾の経営に対し、ご支援とご指導を賜りますようお願い申し上げます。
皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げまして、私の挨拶とさせて頂きます。
 
ご清聴ありがとうございました。

                            平成29年(2017年)4月8日
                            公益財団法人松下政経塾 理事長 佐野尚見

一覧へ戻る

ページの先頭へ